餅をつく
2008年2月25日
 

2月某日、親戚の餅つきを手伝う。

” 餅つき ” は年末の行事だと思っていたけど、
場合によっては旧正月につく事もあるそうだ。

ウチの実家も毎年餅つきをする家で、
子供の頃から「餅つきの光景」には
慣れ親しんで育ってきた。

よくテレビのニュースで
”なんとか祭りのイベント” みたいな感じで
餅つきの光景が映る事があるけど、
杵(きね)の先に餅がベッチョリと付いたまま
ベチャベチャとついているのを見ると
『うわ、これはひどいな…』と
思っている自分に気付いたりする。

   ★     ★     ★

餅つきから学ぶ事はたくさんある。

たとえば「手ぎわ」。

とにかく、餅が硬くならないうちに
すべての作業を素早く的確に終わらせる。

蒸した餅米を臼(うす)に入れた瞬間から
カウントダウンが始まるイメージ、って言うか。
とにかく、餅は待ってくれないのだ。

そして「下地作り」。

餅をペッタンペッタンとつく前に、蒸した餅米を
杵ですりつぶす ” コツキ ” と呼ばれる地味な作業がある。

これがけっこう力がいる。

「餅つきでは ” コツキ ” が一番大事だ」と
子供の頃オヤジが教えてくれた事があった。

やっぱり、何事も「下地」とか「土台」が
大事なんだな、と思いながらコツく。

そして「モノのあやつり方」。

餅、という重みと粘りと弾力のある物体をうまくあやつる。

杵や臼にくっつかないように
適度な水分を補いながらクルクルッと、ペロリンッと。

そして「息を合わせる」。

” 合いの手 ”の人とリズムを合わせる。
ゆっくりとメトロノームのように一定に、と
自分に言い聞かせるけど
乗ってくるとついつい速くなってしまったり、
疲れると遅くなったりして
”合いの手 ”の人に不安感を与えてしまったりする。

で、「肩の力を抜く」。

力んでいたらすぐに疲れてしまう。

グリップの握りだけ意識して、
頭上から下ろしてくる杵の重みを
そのまま素直に餅に伝える。

ミートする感じ。

うまくミートするといい音が出る。

サッカーをやっていた時、何かの拍子に
軽い感じでスーン!と
地を這うシュートが打てた感じを思い出す。

バッティングセンターで、
疲れてきた頃に偶然すごく軽い感じで
スコーン!と絶妙にミートできた事を思い出す。

   ★     ★     ★

日々の仕事は、体全体を使う仕事ではないけれど、
指先の作業の中に「体を使ってる感じ」を意識するのも確かだ。

たまに餅をつくと
「体を使ってモノを作る」って感覚を再認識できて面白い。

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