今回は刺繍の話です。
2ヶ月くらい前から刺繍をするようになって、
いくつか作品を作っています。
一番最初に作ったのがこれなんですけど ↓


マジンガーZ のガラダK-7です。
人生初の刺繍なので
どうすれば良いのか分からない事ばかりだったのですが、
「分からないから仕方ないのだ!俺は素人だ!」と
逆に開き直れた部分もあって
どこか他人事のように楽しめましたね。
で、そのあと作ったのが
カミロボキャラクターだったり、
自分の脳内キャラクターだったり。



あ、そうそう、
「これは手で縫ってるんですか?」と聞かれる事がたまにあるので
一応書いておきますが、そうなんです。
一針ずつ手で縫っているのです…。
(刺繍そのものは手縫いで、バッグや巾着袋はミシンで縫っています。)
★ ★ ★
「刺繍って面白いかも」という憧れや親近感は
けっこう前から持っていました。
僕の場合はプロレスマスクや衣装の仕事で
もう20年以上ミシンを使っているので、
基本的に針と糸に対しての
気持ちのハードルは低かった、と言うか、
「針仕事は女性的」というような
ジェンダー的な先入観はもともと全く無かったですね。
それでもやはり刺繍となると未知の世界で、
勝手が分からず「どうすれば良いんだろう」という所からのスタートだったのですが…。
★ ★ ★
とにかくまずは何をどうすれば良いのか全く分からなかったので、
とりあえずはブックオフに行って
「誰でもできる!初めての刺繍」みたいなタイトルの古本を300円で買ってきました。
で、100円ショップで刺繍針と刺繍糸を購入。
あと、刺繍をする時に布にはめ込む
丸い「輪っか」があるじゃないですか。
あの輪っかも100円ショップで売っているらしいので
探してみたのですが、
見つけられなかったので
それは普通に手芸店で購入しました。
レジのお姉さんに「刺繍で使う輪っかを探していまして…」と伝えたら
「刺繍枠ですね」と返されて
あ、そうか、あれは刺繍枠という名前なのだな、と
自分が発した言葉のアホさを恥ずかしく思いながら
一つ勉強させていただきましたね…。
★ ★ ★
材料や道具をなるべく安く買おうとするのは
ドケチ根性丸出しでどうにも恥ずかしいのですが(笑)
あえて言わせてもらうと
そこには一応自分なりの流儀があって、
とにかく僕の場合、新しい事を始める時は
「これ無理だ…」と早々に気付いたとしても
余ってしまった材料や使わなくなった道具に対して
罪悪感や敗北感をあまり持たなくて良いように
逃げ道を残しながら始めるのがいつものスタイルなのですね。
「いつやめても良いんだ」という気楽さが
逆にモチベーション維持のために結構重要なのです。
で、ある程度慣れてきて
道具の意味や材料の価値が分かってきた頃に
良いものに買い直していく、という方法が
自分には合っているように思うのです。
★ ★ ★
さて、300円の本を読んでみて、
ネットの情報なども参考にしつつ
ではいよいよ刺繍を始めてみるぞ、と思ったのですが、
いざ自分でやってみようと思うと
どうしたら良いのか分からない…。
えーっと、布に下絵を写したあと
まず何をどうすれば良いのか…
そこでハタと気付くのですが、
本を読んでもYouTubeを見ても
基本的には「見本と同じものを作るにはどうすれば良いか」
という事ばかりが解説されていて、
自分で勝手にオリジナルな図案の刺繍を始める時の
「スタート地点の立ち方」のようなものは
解説されていないんですよね。
これは困った…
えーっと僕はですね、
「この見本のお花はこうやって縫います」とか
「ステッチにはこんなに種類があります」とか
まぁそれも大事なんだろうけど
今知りたいのはそういう事ではなくて、
なんかもっと根本的な、
こういうタイプの絵の時は
糸の方向をこのように意識して…といった感じで…
要するに、図案に対しての針の幅とか、糸目の方向とか、
絵の面積に対してどういう意識を持って糸で埋めていくのか、という
普遍的な「考え方」がとにかく知りたいんですよね。
…そう! 考え方!
考え方が知りたいのです。
★ ★ ★
実はこれって、あとから知ることになるんですけど、
「運針」って言うそうですね。
「運針」という言葉は一般的には手縫いの「ぐし縫い」の別名だそうですけど、
刺繍の用語でもあるそうです。
たまたま見ていた(刺繍とは全く関係のない)ネット番組の中で
刺繍における「運針」という考え方を知った時に
「これだ!俺が知りたかったのはこの言葉だ!」
と思いましたね。
まあでも、結局その時も「運針」という言葉を知っただけで
その考え方や意識の持ち方についての情報には行きつけなかったのですが、
「そういう言葉がある」という事を知っただけで
その先に進める感じは十分ありました。
「俺は今、運針について考えているのだ」と思えるだけで心強いと言うか…(笑)。
普通、初心者が刺繍を覚える時は
見本通りに縫う過程の中で少しずつ慣れていって
徐々にその「考え方」を身につけるものなのだろうな、とは
理解しているのですが、
早く自分で勝手に作りたくて仕方がない、という…
これは本当に自分の悪いところで
我流人間のせっかちでダメな所だと自覚はしているのですが
人はなかなか変われないですね…。



…というワケで刺繍の話でした。
今までいろんな表現方法を駆使して
描いたり作ったりしてきましたが、
一回試したら気が済んだ、という事も多々ある中で
刺繍はけっこう連続で何作も作っているので、
自分に合っているのだと思います。
ただやっぱり、まだうまく言えないんですけど
もうちょっと何か自分の方に引っ張ってきて
自分なりに表現できないか、と思うところもあるので、
そういう研究も含めて
引き続き刺繍は続けていきたいな、と思っています。 |